多次元センサー

垂直ホール技術

IC の設計と製造技術の進歩により、IC の平面に対して平行な磁場を感知する垂直ホール素子の作成が可能になりました。 これらは、IC の平面に対して垂直な磁場のみを感知する平面ホール素子と同じ原理で機能します。 この Z 軸の感度は、センサー IC の向きまたは回転によって変化することがありません。 そのため、平面ホール素子のみを備えた表面取り付けデバイスを使用して、センサーが取り付けられている PCB の平面でのセンシングはできません。

図 1 に示すように、平面ホール素子は、ダイの長さと幅 (平面内) にわたって構築されます。図 2 に示すように、垂直ホール素子は、チップの深さに沿って底部から上部に向けて構築されます。

図 1: 平面ホール素子

 



図 2: 垂直ホール素子

 

IC を回転させるか、ダイ上の垂直ホール素子の向きを変えることによって、センサー IC は磁場の方向と振幅を識別することができます。 複数のセンサー素子を備えた IC (図 3 を参照) は、複数の空間次元でセンシングできます。


図 3: 平面および垂直ホール センサーを備えた 3D センサー IC


これらは次のようないくつかの状況で特に役立ちます。

  • 大きなエア ギャップがある場合や機械的な位置のずれの可能性がある場合、または磁石の向きや位置が明確に定義されていない場合の近接性センシング
  • 回転するリング マグネットの位置 (速度と方向) のセンシング
  • スルーホール デバイスから小型で低コストの SMT デバイスへの置き換え (平面内でのセンシングが必要な場合)
  • ターゲットが軸から外れているか複数の次元で移動している可能性がある場合の非接触リニア センサーおよび角度ポジション センサー (ALS31300 アプリケーション ノート を参照してください)
  • ユーティリティ メーターなどでの磁気改ざん検出 (この記事では、これらの用途における 3D 垂直ホール センサーの性能上の利点について説明しています)

 


このロゴは、Allegro の垂直ホール センサー技術を使用する製品を示しています

 

 

円形垂直ホール (CVH) センサー

上記で説明したように、垂直ホール効果センサーは、磁場の方向と振幅を識別するために使用することができます。 円形アレイに配置した場合、垂直ホール素子を使用して印加磁場の角度を判断できます。 円形垂直ホール (CVH) アレイを高度なアナログ信号およびデジタル信号の処理回路と統合したセンサー IC は、たとえばエンドシャフトやサイドシャフトなどの用途で回転する磁気の向きを測定する高度なソリューションです (図 4 と 5 を参照)。



図 4: 角度センサー、サイドシャフト構成             図 5: 角度センサー、エンドシャフト構成

 

 

この技術は、多くの Allegro の角度センサー IC の基礎になっています。 下の動画には、CVH 角度センサーの内部の仕組みの詳細な説明が含まれています。

 

 

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